NO MUSIC FIGHTER

音楽の話と音楽じゃない話をしようよ

EGO-WRAPPIN' / clammbon|「鼓膜の記憶〜Groove 2〜」@中野サンプラザ

f:id:haru1207:20170124002251j:plain

2017/1/20 fri
鼓動の記憶~Groove 2~
at 中野サンプラザ
open 18:00 start 19:00
¥6,000

出演アーティスト

  • EGO-WRAPPIN'
  • clammbo

セットリスト(EN)

  • Folklore(EGO-WRAPPIN'によるクラムボンカバー)
  • サイコアナルシス
  • サニーサイドメロディー(EGO-WRAPPIN'+クラムボン

ライブの感想

一生ものの思い出となる2daysでした。
EGO-WRAPPIN'とclammbon、スタッフや関係者の方々に心からの感謝を。

初日は笑っちゃうくらい楽しくって帰りの電車でも一人ニヤニヤが止まらなくて大変だったのですが、二日目は終演後もずっと音の残滓が鼓膜を揺らしているような、夢見心地の余韻がとどまり続けるライブでした。今もまだ、エゴのフォークロアの音がこびりついてる。行ってよかった。本当に、行ってよかった。

 

細かいことは覚えていないので、ざっと感想だけを。

クラムボン

先攻のクラムボンは、数曲を除いてほぼ初日と同じ定番セットリスト。にもかかわらず、数曲が入れ替わって曲順が変更になっただけで、受ける印象もガラっと変わって面白かった。初日は個々の主張の激しさもあって、とにかくガンガン攻めていく印象が強かったけれど、この日は途中のMCにあったように「次のエゴにいいバトンを渡す」ような暖かさを感じる演奏。ほぼ全曲に渡ってハンドクラップが会場中に鳴り響いていて、ステージにフロアが巻き込まれていくような、いい意味での振り回し感があって楽しかったです。

MCでは、8年ぶりの日比谷野外大音楽堂ワンマンが発表されました。
5/3、最高の季節。めっちゃ楽しみです。頑張ってチケットを取るつもりだし、取れなくても絶対に音漏れを聴きに行きます。5月の野音は最高だよね。

EGO-WRAPPIN'

エゴは、初日に宣言した通り、2日目はダンスナンバー目白押しの完全に踊らせてくるセットリスト。中野サンプラザの2階席はわりと傾斜が急なので立って踊りながら観るのはちょっと怖いのですが、立って観ている人もちらほら。じっくり聴かせてきた前日とは打って変わって、それぞれの音が際立つような派手な演奏が聴けてめっちゃ楽しかったです。
真っ赤なスーツで出てきた中納さんがもう、踊る踊る踊る!もうめちゃくちゃカッコイイ、ずっと観てたい、でもじっとして観てるより踊っていたい!先へ先へと急かすような、観客を煽るようなステージでした。最高に気持ちよかった。

クラムボンもエゴも、どちらも気持ちのいい演奏でした。
でもやっぱり、初日同様、一番心に残ったのはアンコール。

アンコール(カバー、セッション)

アンコールで最初に出てきたのはEGO-WRAPPIN'。
前日にクラムボンがエゴのカバーを披露したことを受けて、この日はエゴがクラムボンのカバーを。「いい曲がたくさんあるんやけど」と言いながらピアノの前に座った中納さんが歌い始めたのは、クラムボンの名曲「Folklore」。前日の「ある鼓動」もそうだったけれど、中納さんが一音目を、「強い台風の」という歌い出しをスッと音にした瞬間に、一気に鳥肌が立った。

クラムボンと同じトリオで演奏されたFolklore、でも、どこからどう聴いてもエゴの曲になっていて。コードも譜割も変更されて、完全に「エゴのもの」になっていた。もともとリズムの自由度は高い曲だと思うけれど、ここまで解体されて、なおかつ違う形に美しく再構築された姿を見せられるなんて。
最初ギターを弾いていた森さんは、途中からフレーズをループさせたままドラムに移動してドラムを叩き始めたり。「3人」という限られた人数の中で、音数も決して多くないのに、拡がりというか、深度を感じさせる音だった。微熱めいた焦燥のような、ぼんやりとした後悔のような、でもどこか面白がるような、不思議とつかみどころのない感情を内包した楽曲だと思うのだけれど、その不思議な不定形さがクラムボンとはまったく違う形で調理されていて、本当に美しかった。あんまりにも美しくて、なんだか泣いてしまった。

この後に演奏されたアコースティックver.のサイコアナルシスも、クラムボンを呼び込んで一緒に演奏したサニーサイドメロディも(中納さんの「歌はいいねえ!」というド直球の叫びが最高でした、まじで歌はいいね、最高!)、どちらも素晴らしかったのだけれど、この日の記憶はほとんどエゴのFolkloreで塗りつぶされてしまいました。終わってもしばらく泣いてた。魂を掴まれて引きずり出されたみたいな感覚になって、電車の中でもしばらく夢心地でした。

 

2つのまったく性質の違う、でもどちらも心地よい20年物のグルーヴを、心の底から楽しんで味わえる素晴らしい2日間でした。ありがとうございました、お疲れさまでした。またいつかこの組み合わせで、対バンが観られたらいいな。