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Plastic Tree|8thアルバム「ネガとポジ」(2007)感想

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Plastic Tree通算8枚目、ササブチ在籍時の完成形とも言える作品。

メジャーデビュー10周年のタイミングでリリースされた本作は、初期を思わせるシリアスで閉塞的な世界観と、10年間で培われた演奏力と表現力が共存した作品になっています。

アルバム全体を通じて感じられるのは、薄墨色を彷彿とさせる閉塞的な世界観。「曲数が溜まったからアルバムを作った」という、ラフな感覚が一切ありません。
前作『シャンデリア』が、雑多な曲が多数詰め込まれた賑やかな作品だったのに対して、『ネガとポジ』は、楽曲ひとつひとつの個性はありつつ「1枚のアルバムに収める」ことを大前提としているような、息苦しいほどのトータリティがあります。

作詞作曲はササブチ以外の3人全員が手掛けています。他作品と比較して、有村さんが他メンバーの曲に詞を付けた楽曲が少なく、1人で作詞作曲両方を手掛けた楽曲が最も多く収録されています*1

全体的に、『シロクロニクル』や『cell.』から感じられたユーモアは鳴りを潜め、楽曲における隙、余白、余裕、を排除した硬い仕上がりになっています。ここで言う「隙、余白、余裕」とは、休符的な意味合いではなく、「異なるアレンジを受け入れ得る柔軟性」程度の意味合いです。この曲のこのアレンジはここが終点、といえる形まで、全曲が徹底的に突き詰められている印象を受けます。

個人的には、その「徹底的に突き詰めて完成させた」という性質に息苦しさを、どこにも行けない閉塞感を、その先がない行き詰まり感を、強烈に感じて苦手な作品です。

とはいえ、Plastic Treeというバンドを再定義した作品として意義深く、また完成度が高いことにも疑いの余地はありません。
メジャーデビュー20周年の2017年、7月に行われるパシフィコ横浜の特別公演では、ファン投票によって完全再現されるアルバムの1枚として選出されました。彼らの代表作の1枚であり、今なお評価され続ける作品です。

アルバム詳細

発売日:2007/6/27
発売元:ユニバーサルJ
プロデュース:明石昌夫

初回盤・通常盤の2形態発売
初回盤:全曲のスタジオライブを収録したDVD付属
通常盤:「真っ赤な糸(ネガとポジ版)」「hate red, dip it(loudest sound edition)」収録

収録曲

  1. 眠れる森
  2. 不純物
  3. エレジー
  4. スピカ(ネガとポジ版)
  5. ザザ降り、ザザ鳴り。
  6. 無人
  7. オレンジ
  8. Sabbath
  9. egg
  10. 涙腺回路
  11. 黒い傘
  12. アンドロメタモルフォーゼ
  13. 真っ赤な糸(ネガとポジ版)※通常盤のみ収録
  14. hate red, dip it(loudest sound edition)※通常盤のみ収録

楽曲の感想

1.眠れる森
  • 作曲:長谷川正
  • 作詞:有村竜太朗

アルバムの幕開けに相応しい、ミドルテンポの「いかにもPlastic Treeらしい曲」。
初回盤においては、このアルバム唯一の、長谷川作曲有村作詞のゴールデンコンビによる楽曲です。

際立った派手さのない、どちらかといえば地味な曲なのですが、このバンドの魅力がギュッと凝縮されている曲でもあります。
ササブチ時代の常として、テンポが速くない曲であってもドラムはタイトでスクエア、そこで曲の輪郭がしっかりと引き締められているように感じます。ギターはメロディを弾いているメインの1本が曲に軸を作っているのですが、その他の幾重にも重ねられるさまざまな音はむしろ曲を広げたり散らすようなイメージもあって、「迷い込む」という感覚を増幅させていくのが怖くて美しい。
で、ベースはずっと低い位置でシンプルなフレーズを鳴らし続けているのですが、その音がなんというか、ものすごくじめっとしているんです。冷たくて暗くて湿っているところ、森の奥の深い土の中、そこからじっと見つめられている、みたいな印象があって、ふとした瞬間その存在に気が付いて背筋が粟立つような感覚があります。

歌詞は抽象的で、ストーリー性があるようでないような。音から想起される幻想的な情景を淡々と描写します。
この曲、音の描写と歌詞の描写が完全にシンクロしていて、たった5分半の音と言葉であるにも関わらず強烈な印象を植え付けられます。『ネガとポジ』というアルバム自体が明確な色のある個性的なアルバムですが、その中でも際立って、この曲独自の世界が確立されている楽曲だと感じています。だって目を閉じたまま聴いていると、暗くて冷たくて出口の見えない、ときどき淡い光が舞って姿の見えない笑い声が聞こえるような、不思議な森の中にいる錯覚に陥る。

トロイメライ』以降の有村さんの詞は現実世界を感じさせるものが増えたのですが、ここで描かれるのは初期のように現実離れした不思議な情景。しかし初期と決定的に異なるのは、それが幼児期の心象風景のようにグチャグチャではないこと。『Puppet Show』のエントリで「自己と他者が分離していない」という主旨のことを書きましたが、『ネガとポジ』は完全に分離している。幻想的ではあるのですが、それは映画や小説、あるいは絵画のような描かれ方。

「忘れないで。」って僕はただ唄って、
「忘れたいの。」って君はただ踊る。

感じていることを細々と書くとポエムになる上に文字数がえげつなくなるので省きますが、「眠れる森」の歌詞は、彼が何度も何度も問い続けている「忘れること」「忘れられること」「いなくなること」「残ること」を完璧に描き切ったひとつの完成形だと感じています。
同じような印象の歌詞を持つ楽曲として「うつせみ」「影絵」「剥製」などが挙げられるのですが、その中でもわたしは「眠れる森」が一番好きです。曲と音と言葉が混ざり合って一枚の絵を描く完璧さ、それが他の追随を許さないほど強固だと感じるから。「眠れる森」は、いい意味でパーソナル過ぎない。上に挙げた他楽曲よりも、「眠れる森」の歌詞は音の描写と近しい印象があります。

プラのアルバムは1曲目に惚れることが多く、そしてこれもドストライクの楽曲でした。いやもうだって、イントロだけで完全にもう……。遠くから響くような長音のギターに淡々と湿ったベース、この相反するような音色が混ざって聴こえ始めて、そして入りのドラムですよ!ほんっとこのイントロのタムの音色が好きすぎて、ここだけ何回もリピートしちゃうくらい好き。右から左に抜けていくんですが、音階も流れも質感も全て完璧。

メジャーデビュー10周年記念公演の初武道館ワンマン「ゼロ」は、この曲で幕を開けました。
2013年に千葉テレビで放送された千プラを見ると、中山さんはどうやら覚えていなかったみたいですが(笑。有村さんは覚えていなかったのかボケたのか謎)正くんと佐藤さんが確信をもって「ゼロの1曲目は眠れる森」と回答していた姿が印象的でした。わたしもこれは忘れないな。忘れられない。

Plastic Treeの根っこにある楽曲のひとつであると、今でも思っています。

ちなみに全然関係ないのですが、この曲を聴くと谷山浩子さんの「まっくら森の歌」を思い出します。

2.不純物
  • 作詞作曲:有村竜太朗

イントロから1Aはザラッとした乾いた質感が強く、荒っぽいギターも相まってザクザク刺さるような乾いたロックンロール感がありますが、サビでは泣き叫ぶような轟音が鳴り響く。パッパッと切り替わる描写の変化が面白い楽曲です。

最初はドライなのですが、1A後半に左で鳴り始めるギターから徐々に湿度を増し始め、サビでは豪雨みたいな音になる。サビを経ての2Aでは、淡々と鳴るギターが冷たい浴室に滴る水滴みたいで、1Aとは全然質感が違って面白いです。今回もギターギターうるさくて申し訳ないのですが、やっぱりこの曲もギターが最高にかっこいい曲!笑

いやだって、本当に面白いんですよ。共通するフレーズはあるんですが、各セクションで音像が全く異なるので、切り替わっていく情景が活動写真のようで面白い。立ち止まって悔いるような印象がありつつ、同時に突き放す冷たさも感じられて、視点によって姿が変わる不思議な魅力のある楽曲だなあと思っています。

ライブだと2:39のところから正くんや有村さんがハンドクラップを煽ってくれます。一緒になって叩いても楽しいし、ピョンピョン跳ねてるだけでも楽しい。

リリース当初、「イントロがNirvanaSmells Like Teen Spiritのパクリ」と言われまくったのですが、わたしは昔も今もぜんぜんピンと来なくて「?」となっています。質感が似ているのはわかるんですけど、コードもリズムも違うし。「パロディなのかパクリなのか判定」って人それぞれで難しいなーと思います。個人的には譜面に起こして違うなら違うと思っているし、好きなものの影響を反映しつつ自分のものとして昇華していく表現者が好きなので、あの手の論争はいつも「ふーん」程度に聞いています。でもパクリ警察の人たちの主張を読むのはけっこう楽しいです。

3.エレジー
  • 作詞作曲:長谷川正

最初から最後まで全力で止まらずに突っ走るような、超パンキッシュな曲。
クレジットを見なくても「あ、正くんの曲だ」とわかるタイプの曲です。マイナーな3コードで爆走してぶっちぎる曲はだいたい正くんだと思ってる。笑

緻密に凝って構築した、という感じがなくって、いい意味でがさつで感情的。前2曲がかなり凝った造りになっているので、その分この曲のノンストップぶりが際立ちます。でも、「ノンストップぶり」なんて言ってもイントロでは全パートがバシッと止まる箇所もあったりして、メリハリが効いていてカッコイイんですよね。

ライブだと、極悪な低音を爆音でぶち鳴らす正くんが最高にカッコイイです。思わず下手をガン見しちゃう曲のひとつ。
ただ、キーが低いので有村さんの音程が行方不明になりやすいのが難点。彼の声域の中ではかなり下の部分だけで構成されているように感じるので、歌いにくい曲のひとつでもあるのかなーと感じています。

4.スピカ(ネガとポジ版)
  • 作詞作曲:有村竜太朗

2007/1/24発売のシングル『スピカ』表題曲、アルバムアレンジ版。

有村さんの曲らしく、メロディのきれいな優しいバラード。シングル版は柔らかく優しい音色で構成されていますが、アルバム版には歪んだギターが追加されて、『ネガとポジ』らしい薄墨色の質感に寄せられています。

タイアップもついたので、プラの楽曲の中でも比較的一般的な認知度が高いのではないでしょうか。あと、台湾のラジオ(だったかな)でヘビロテされていたらしく、台湾でやたら人気なイメージがあります。

個人的には、プラの全楽曲の中でも1位2位を争うレベルで興味がない楽曲でもあります……。
この曲はギターも全然ピンとこなくって。人気曲なのは理解しているのですが、歌詞もメロディもあらゆる音も、右から左に抜けていってどうにも残らないです。相性が悪いんだろうなーと自分では納得しています。強いていうのであれば、スネアとキックが他楽曲ではないくらい優しく、しかしタイトな音を出していてそこが好きです。

この曲は、PVもちょっとツボにハマってしまって。ヘッドフォンを被った女の子が森を駆け回る映像とメンバーの演奏シーンとが組み合わさったPVなのですが、謎の女の子(かわいい)が謎過ぎる(なぜ笑顔で森を駆け回ってるのか最後までよくわからない)のもだし、なにより最後唐突に、メンバー4人がザッと出てきて空を見上げるシーンが挟まっていて……あれ見ると毎回爆笑しちゃう。なんかもう、すごい、「おれたちの戦いはこれからだ!」みたいな感じで出てくるから面白くて面白くて。「中山さんが珍しくアコギを弾いている、そしてPVが面白い曲」というイメージです、ごめんなさい。

この動画の4:42あたりからが打ち切り最終話シーンです。
プラツリ先生の次回作にご期待ください!!!

5.ザザ降り、ザザ鳴り。
  • 作詞作曲:有村竜太朗

雨の中を駆け抜けるような気持のいいギターロックです。
彼の曲は全般的にその傾向がありますが、プラの曲の中でもポップでキャッチー、すっと沁み込んでくるような印象があります。新しい曲でもすぐ親しくなれるというか、どこか懐かしさがある感じ*2

勢いがある曲とはいいつつ音の重ね方は丁寧で、ギターもコーラスも音の積み方が緻密だし、ボーカルの裏でずっと歌っているベースがすごく気持ちいいし、イントロやサビ前の雨粒みたいなスネアとか最高なんですが、そんな細部より曲全体が気持ちいいね!と思える楽曲。
“刻んで 刻んで インマイライフ” の部分、駆け抜けていた音がそこだけためがちになって、歌も吐き出すような感情過多になる感じがとても好きです。ライブだと全身を使って歌う有村さんがカッコいいなあと思う曲でもあります。

個人的に、『ネガとポジ』は前半と後半に分けられると思っているのですが、この曲が「前半の終わり」というイメージです。ひとつのピーク。

6.無人

「眠れる森」と並ぶ、『ネガとポジ』におけるわたしの推し
アルバム後半の起点*3となる楽曲だと思っています。

ここまで、比較的わかりやすい・掴みやすい楽曲が並んできたのですが、この曲はめちゃくちゃ面倒くさい。同じ音2回使ってるとこある?って訊きたくなるほどアレンジが複雑で、でもパッと聴いた感じだとそんな「複雑で難しいぞ!」という感じではなく、勢いのあるシンプルにカッコイイ曲に聴こえて、でもよく聴くとめちゃくちゃ面倒くさくてめちゃくちゃ凝ってる。そこが大好き。

イントロからもう超かっこよくって。どのパートも忙しなく動き回っているのですが、それぞれの絡みが有機的で最高。曲が進むたびに音数が増えていって、少しずつ曲が拡がっていって、それが大サビの “逃げたくて買った切符は ポケット中泣きだした” という歌詞とリンクして、胸を締め付けられる。全体的に、アキラ曲らしくシニカルな雰囲気と哀愁が漂っていて、苛立ちとも哀しみとも言い切れないグチャッとした感情が根底にあるように感じます。中山さんを見ていると、ドライになり切れない人だから線引きしたり整理したりするのかなーと思ったりするのですが、この曲を聴いていると同じようなことを思います。歌詞では全然感情が整理されていないのですが、音は緻密に丁寧に組まれている。言葉にできないなにかを整理するみたいに。音だって最後は泣きだすんだけど。

個人的には、ササブチ在籍時のプラの魅力がギュッと凝縮されている曲だと思っています。
楽器隊全員がきっちり自己主張していて、それぞれが潰し合う寸前の形で絶妙に噛み合ってグルーヴを作ってるところ。複雑なキメが何度も入るけど、これライブでバシッと決まると最高にかっこいいんだよね。

この曲のドラムの音作りがものすごく好きで。Bメロとかほんと最高じゃないですか?自宅で安いイヤホンで聴いているだけなのに、すぐ目の前で叩かれてるみたいな気持ちになる。ギターだって、どんだけ重ねてんのってくらいいろんな音が入っているんですが、無軌道じゃなくって。左右の振り分けも完璧で、大サビで左で鳴ってる泣いて軋むような音、あれ聴いてるだけで涙出てくる。ほんっとーに好き。

この曲で思い浮かぶのは「眠れる森」と全然違う絵なのですが、「眠れる森」と同じくらい曲と音と歌詞が完璧にシンクロしてて、聴いているだけでくっきりと情景が思い浮かんでくる。2:54~のブリッジ部分、他になにもないような場所に小さな無人駅がぽつりと建っていて、人影がひとつだけ立ち尽くしているような情景がバッと広がって。胸を掻きむしられるような。そんな気持ちになる。

なお、歌詞はどう考えても作詞者自身のことを歌っているのですが、作詞者は雑誌のインタビューで「これはBECKというバンドをテーマにしたマンガを読んで書いただけでおれのことじゃない。おれの地元は無人駅すらない。おれじゃない」と言い張っています。

7.オレンジ

シンセの絡みが気持ちいい、跳ねるような踊れるエレクトロ・ロック。

ドラム!この曲はもう、ドラムが超かっこいいです。ドラムが主役。ドラム聴くために曲を再生する。ギターがずっと軽薄でペラペラした音を気楽に鳴らしていて、メロディも軽やか、ベースもシンプル。その中で、ドラムだけが最初から最後まで跳ね回っていて、座って聴いてたとしても途中から立ち上がって跳ね回りたくなる。めっちゃ楽しい。

おそらく、ネガポジ収録曲の中では「黒い傘」「Sabbath」と並んで、ライブでの演奏頻度が低い曲です。大好きなのに全然やってくれないので、今週末のパシフィコ横浜で聴けるのがとっても楽しみ。佐藤さんのドラムの躍動感がものすごく好きなので、これ絶対超気持ちいいって!早く聴きたい!

8.Sabbath

突然のラウドロック。
いきなり曲の重心が低くなるのですが、アルバムの流れから浮いていないのが『ネガとポジ』の不思議なところです。個々の楽曲はそれぞれ際立った個性を持っているのに、でも同時に、全楽曲共通して薄墨色のひんやりとした世界を感じるんですよね。

1番から2番までの間奏部分、「プラでそんなんやったことないでしょ!」て思うくらいベッタベタで面白いです。
一つ前にアルバム『シャンデリア』に収録されているシングル「Ghost」で確立したノウハウを使って作られたという楽曲*4ですが、「Ghost」よりもストイックというか、ソリッドでドライな部分が強調されているように感じます。かと思えば、サビでは冷たく囁くようなコーラスが入って、氷みたいに透徹とした、でもどこか浮遊感のある音に変わる。

個人的には、この曲の「ドライで重苦しい音で構成されつつも、サビで浮かんで融ける」という感覚は、次作『ウツセミ』の「メルト」の音作りに引き継がれているように感じます。

9.egg

突然のラウドロックの次は、突然のパンク。
この曲も聴いた瞬間に「あ、正くんだ」と思いました。笑

あまり熱心に聴き込むタイプの曲ではないのですが、ライブだとその場の感情が爆発する感じでテンションが上がります。“マナー マナー” の部分で一緒に叫んで騒ぐのが楽しい、そういう刹那的な気持ちよさがある。
そうそう、2Aのうねりながら昇っていくようなベースがめちゃくちゃカッコイイです。

歌詞は、路上喫煙の歌だと思うとかなりイラッとするので(笑)意味は考えずにそっとしておきます……。

10.涙腺回路
  • 作詞作曲:有村竜太朗

現在でも演奏される機会の多い定番曲のひとつ。
透明感と疾走感のある曲で、初めて聴いたときはなんとなく、『トロイメライ』収録の「プラットホーム」を思い出しました。

前半は比較的音数の少ないアレンジで、ベースがど真ん中にある感じがライブで聴くとめちゃくちゃ気持ちいいです。『ネガとポジ』収録の他曲は、ドラムとギターが好き放題しつつベースが両者を繋いで曲を造るみたいなイメージが強いのですが、この曲は逆で。ドラムとギターが刻んで曲の輪郭を造る中、メロディックなベースが曲の感情的な部分を牽引している印象があって魅力的です。

疾走感はあるのですが爽やかさはまったくなく、たとえば車を運転しながら聴いたら気持ちのいい曲だとは思うのですが、相応しいシチュエーションは真昼の海岸沿いとかじゃなくて、ひんやりとした真夜中の高速道路。他収録曲よりも人懐っこい印象のあるメロディラインが可愛かったりするのですが、でもやっぱり、『ネガとポジ』の楽曲らしく根底にはひんやりとした孤独がある。

この曲は、歌詞も大好きで。
やわらかい語尾で問いかける言葉が小気味よく、曲の疾走感を加速させるように自問自答が繰り返される。「ザザ降り、ザザ鳴り。」とはシャム双生児みたいだなと感じる楽曲で、表現の仕方は異なるのですが、どちらからも泣き笑いみたいな印象を受けます。

サビで空から降ってくるように駆け降りるギターの音色が、“見上げれば僕は雨の檻” という歌詞と相まって、透き通るような閉塞感を感じさせて大好きです。

M-8「Sabbath」~M-10「涙腺回路」の流れは、作曲者それぞれのカラーが明確に分かれていて面白いな、と思う部分でもあります。

11.黒い傘

スローテンポのヘヴィでノイジーな楽曲。
ほとんどライブで披露されたことがないのですが、昨年の年末公演でめちゃくちゃ久しぶりに演奏されました。

冷たく密やかなイントロとAメロ、そしてサビで一気に爆発する轟音とノイズ。全体的にキリキリした緊張感に支配されたシリアスな楽曲で、聴いているだけでかなりしんどい。『ネガとポジ』制作時に強く意識したという『Puppet Show』に例えるのであれば、「3月5日。」に相当する楽曲です。ドロドロと情念と怨念が渦巻いて、外にも内にも怒りをぶつけるような、でもどこか徹底的に冷たく全てを拒絶するような。そんなイメージの曲。

リリース当初、わたしはあまり好きではありませんでした。
昨年の年末公演の感想でちょっと書きましたが、なんというか、「Plastic Treeはこういう楽曲を発表するべき」みたいな強迫観念から描かれたような、そういう印象が強かったので。当時のライブでの演奏もそこまでピンとくるものではなく、わたしのなかでは「後半の音作りとかめっちゃかっこいいんだけど、聴くとしんどいからあんまり聴かない」という曲になっていました。後で詳しく書きますが、わたしは『ネガとポジ』というアルバム全体に「現在地から過去だけを見つめて制作した作品」という印象を強く持っていて、そこが苦手なのですが……そして「黒い傘」は、その印象が一番強かった。

でも去年の年末公演の演奏が、本当に素晴らしくて。『ネガとポジ』がリリースされてもう10年経ちますが、10年経ってようやく好きになれた楽曲でもありました。

まだちゃんと消化しきれていない曲なので、これはのちのち感想を追記するかもしれません。

音として好きな部分は、1Aで淡々と鳴っているギターの音色、サビ前にエディットされている部分の躓いて反芻するようなバグみたいな前に進めない感じ、2:48あたりの乾燥して反響するドラム、アウトロのサイケな展開、各楽器同士の掛け合い、そしてギターの引っ掻くような咽び泣くようなキリキリと叫び続ける音。

12.アンドロメタモルフォーゼ
  • 作詞作曲:有村竜太朗

8:13に及ぶ大作であり、今なお演奏され続けるPlastic Treeの代表曲。
ライブの本編ラストの定番であり、イベントで演奏される機会も比較的多い曲です。

やわらかなメロディと美しい轟音で構成された、マイブラ直系のシューゲイザー・ナンバー。
怨念と情念が渦巻いている『ネガとポジ』後半の流れが、この曲で一気に浄化されていきます。

幾重にも重ねられた幻想的で美しい轟音と、囁くような呟くような声。宇宙に融けて拡がっていくような、そんな感覚に陥る曲です。アウトロを聴いていると、このまま永遠に終わらないでほしいって思う。

未来まで一緒にさ 行けたならよかったな
してあげたい出来ない事がたくさんあるんだよ

胸に宿す花なら 全部腐ってて酷い色
苦しくて うれしくて 切なくて 恋しくて
こんなにね 咲いてるのに ひとつもあげれない

やさしくやわらかい言葉とメロディで、こんなことを歌われるんだよね。泣き笑いみたいな、諦めてるのに惜しむみたいな、どうしようもないことをどうしようもないこととして赦すような、さみしくてやさしくて孤独な歌。目を閉じて聴いていると、銀色の月と無数の星がきらめく、おもちゃみたいな銀河の情景が目の前に広がります。

綺麗なのにどこか歪な、Plastic Treeらしい、そして竜太朗さんらしい楽曲。

夢でもね 消えないで 幾億目の夜なの?
銀河にね 埋もれて はぐれてしまう アンダーワールド
月からね 吹く風で 涙もいつか乾いて
そしたらね どこまでも ずっと 歩いてけそう

定番曲だけあって、現在はササブチ期とは異なる形でライブのサウンドが完成しています。
上の動画は2007/9/8「ゼロ」@日本武道館のアンドロ、下の動画は2012/4/14「青の運命線 最終公演 テント③」@日本武道館のアンドロ。前者はササブチ、後者はケンケンの演奏です。

ササブチが叩いていたときは、Aメロの鍵盤は彼が弾いていたのですが、現在は完全に同期を走らせているし、フレーズも変わっています。今はかつてより音の粒が細やかな、繊細で優しいサウンドが成立していて、陶酔するような恍惚とするような美しさと、茫漠とした寂しさがある。過去の音と現在の音の差異が顕著に感じられて、そしてどちらも大好きだと感じさせてくれる楽曲。佐藤さんが加入して比較的すぐのイベント、2010年に新木場COASTで行われたJ-ROCK GOES TO THE WORLDというイベントで披露されたアンドロメタモルフォーゼ、あの演奏に強く胸を打たれたことを覚えています。

THE NOVEMBERSの小林くんは、この曲が好きだと公言していて、ヤマジと有村さんと一緒にセッションして以降、弾き語りなどでも披露しているようです。

そして2017年9月リリース予定のPlastic Treeトリビュートアルバムでは、ついにノベンバによってカバーされることが決まりました。
個人的には、ノベンバには「針槐」とか「懺悔は浴室で」とか「白い足跡」とか、ああいうドロッとしたノイジーな楽曲をやってほしかったので、ちょっと残念なのですが(笑)でもノベンバのアンドロなんて絶対素晴らしいに決まっているので、楽しみに待っていたいと思います。

13.真っ赤な糸(ネガとポジ版)※通常盤のみ収録
  • 作曲:長谷川正
  • 作詞:有村竜太朗

2007/5/16発売のシングル『真っ赤な糸/藍より青く』の表題曲(両A面)、アルバムアレンジ版。
これ以降は通常盤のみに含まれるボーナストラック。個人的に「真っ赤な糸」と後述する「hate red, dip it」は言葉どおりボーナストラックであって、『ネガとポジ』というアルバムの構成要素ではない、と認識しています。

それはさておき、「真っ赤な糸」。

ストレートに良い曲です。名曲。抒情的なロック・バラード。
リリースされた当初は、c/wの「藍より青く」と併せて素晴らしいシングルだなあと感激したし、未だに聴き直すたびに「良い曲だなあ」と思います。楽曲として普遍的・一般的な魅力を持ちつつ、Plastic Treeのロックバンドとしての魅力もきちんと表に出ていて、そこがとても好き。ただ綺麗なだけのスロウバラードにすることもできたと思うのですが、そういうアプローチだったらここまで好きな曲にはなっていなかったと思う。

ストリングスやアコースティックギターの繊細な音、シンセサイザーのキラキラした光のような音の後ろで、歪んだエレキギターの轟音が響いているアンバランスさ。でもこれらが歪なまま問題なく共存しているところが、やっぱり大好きなんだよなあ。メロディを追っているだけでも十分素晴らしい曲ですが、やっぱり音の描写がいいな、好きだな、プラ大好きだな、と改めて思わされた楽曲でした。

あとやっぱり、この曲を語る上で外せないのは歌詞。

話したい事が たくさんあった
生まれ変わるなら 君になりたいな

2Bで歌われるこのフレーズ、この言葉はやっぱり、彼の詞の中でも特別に好き。そういう人、多いんじゃないかな。

恋愛色の強い歌詞は苦手なのですが、この曲で歌われているものは恋愛と呼ぶには透明すぎるというか、いっそ信仰に近いような純粋さで。絶対に届かない・絶対に自分はそうはなれないことを理解しながらも手を伸ばす、その切実な感覚がすごく痛く響くんだと思う。「君になりたい」は、「私を捨てたい」と同値だから。

歌い出しの “硝子の空に台風が来てるってさ” という歌詞も相まって、台風のシーズンになると毎年無性に聴きたくなる曲でもあります。

ちなみに、台風がきたときにTwitterで「硝子の空」と検索してみると、検索結果が「真っ赤な糸」の歌詞だらけになるので面白いです。笑*5

14.hate red, dip it(loudest sound edition)※通常盤のみ収録
  • 作詞作曲:長谷川正

前作『シャンデリア』のM-1「ヘイト・レッド、ディップ・イット」のリアレンジ版。
よりラウドによりヘヴィーに、この曲が持つ色気と毒気を全面に押し出したアレンジになっています。『シャンデリア』版より圧倒的にこちらの方が好き。

正くんの曲はだいたい好きなのですが、こういう彼独特の毒気が顕著に表出している曲はとくに好きで。パッと思いつくものだと、他には「アブストラクト・マイライフ」とか「少女狂想」とか「針槐」とか、新しいものなら今年(2017年)リリースされたシングル「念力」とかなんですけど。多少演奏が荒っぽくてもそれがむしろかっこよくなるようないい意味でのおおざっぱさがあって、ライブで演奏されるとその場その場の空気感が顕著に反映されてゾクゾクします。ゾッとするほど毒々しく突き放すような曲に聴こえることもあれば、一緒に盛り上がるぞー!みたいな曲に聴こえるときもあって。楽曲本来の性質としては前者だと思うのですが、なんというか、度量が広いなあという印象。強烈に個性的で毒々しいのになんかめっちゃマイペース、みたいな感じが、正くんご本人とよく似ている曲だなあと思っています。笑

ライブだと、赤い照明を振り回しながら目を見開いて歌う有村さんの迫力が凄まじく(笑)いやほんとに存在感のあるボーカリストだなと思わされます。ヘイトを歌っているときの有村さんは、凄みがありつつ色っぽいです。

ちなみにこの曲、どうやら一部宅録らしく。
クレジットに、レコーディングエンジニアとして「中山明(俺ん家スタジオ)M-14」と記載されています。俺ん家スタジオは中山さん宅のこと。おそらく弦は中山宅で録ったんじゃないかなー。自宅でこんな凶悪な音を出したのかーと思うとなんだか不思議な感じがします。

アルバムについて

このアルバムがリリースされた2007年は、初期の楽曲にフォーカスを当てたツアーや、初の武道館公演「ゼロ」が行われるなど、アニバーサリーイヤーを全面に押し出したプロモーションが行われていました。
そんな中、メンバーが事前にミーティングを行った上で*6過去最短で制作されたこの作品は、メンバー自身が「最高傑作」と語るに相応しい完成度の盤となりました。

ササブチ在籍時代のPlastic Treeを語るには、次作『ウツセミ』と併せて決して外せない作品です。『ウツセミ』がある地点から「今と未来」を見つめて作られた作品だとするなら、『ネガとポジ』は、ある地点から徹底的に「今と過去」を見つめて作られた作品。このバンドは何なのか、本質はどこにあるのか、問い直して突き詰める作業が行われたアルバムだったのではないでしょうか。
個人的には、ササブチ期の実質的な終着点はこのアルバムであり、次作『ウツセミ』は「既に終わっている状態」で作られたように感じています。わたしがこの作品に対して感じる息苦しさは、今この瞬間とか、これから先とか、そういった不確定な要素が一切許されず、ただただひたすらに過去を見据えながら「かつての自分たち」という亡霊と向き合って作成されたことに起因するんじゃないかなあ、と勝手に思っています。サウンド的には新しい側面も数多く含まれているのですが、それでもなんだか「これまでの総決算」みたいな印象がある。息を引き取る寸前みたいな死に物狂いの切実さと、10年間のキャリアで培われたシビアで冷徹なジャッジとが同居した、理性という枠の中にドロドロの感情がぶち込まれたような作品だと感じています。

 

ところでこのアルバム、わたしにとっては初めての「初回盤と通常盤の2種買いをしてしまったアルバム」でした。PVやオフショットにあまり興味がないので、「通常盤はボーナストラック!初回盤はPV付!」みたいな売り方をされると迷うことなく通常盤のみを買うのですが、これはどっちも買っちゃった。というのも、通常盤がボーナストラックなのは通常営業なのですが、初回盤特典が全曲のスタジオライブ映像だったんですよね。これは絶対欲しいと思ったし、そして実際買ってよかった。

このページにはネガポジ収録曲のCD音源と、あとときどきライブでの演奏に関する感想を書いていますが、初回盤付属DVDのスタジオライブ版の音作りはまた全然違います*7。録音よりもさらに粗っぽくざらついた、乾燥したサウンド。リリース当初の楽曲に対する解釈やグルーヴが率直に伝わってくる貴重な映像です。このDVDは未だによく見返します。

もし「これから買うよ」という人がいるのであれば、個人的には初回盤をおすすめします。通常盤のみ収録のボーナストラック2曲も捨てがたいのですが、『ネガとポジ』という作品自体のことを考えると、ボーナストラック2曲は本当の意味で単なるボーナストラックな気がします。「眠れる森」から「アンドロメタモルフォーゼ」までが『ネガとポジ』という作品で、その12曲でこのアルバムは完結しているんだな、という印象。スタジオライブDVDと併せて聴き込むと作品の世界にどっぷり浸かれるので、やっぱり初回盤の方がおすすめ*8です。

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アートワークも、初回盤と通常盤で少し違います。
↑の写真だと、上が通常盤、下が初回盤。

全体的には、アルバムタイトルを踏襲して、写真の陰画と陽画のイメージでビジュアルも制作されています。それを踏まえて初回盤と通常盤の歌詞カードを比較してみると、通常盤は曲名の表示が反転していたり。あとは単純に曲数が違うので余白が違ったり、使用されている写真が違ったりします。

歌詞カードのタイポグラフィは有村さん監修。眺めるだけでも楽しいです。

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タイポが一番好きなのは、シンプルだけど、通常盤のみ収録の「hate red, dip it」。

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シンプルに怖くて美しくてめっちゃ好き。

どーでもよい話

今年の3月くらいから書いたり消したり書いたり消したりしつつ、なんとかまとめようと思っていたのですが書き進められず。でも今週末のパシフィコ横浜公演で完全再現されることが決定したので、「今のプラでの今の演奏」を観る前に、自分の感情と認識を整理しておこうと思ってむりやりゴリゴリ書きました。とはいっても、20周年記念特設サイトでアルバムの全曲解説が始まって「ネガポジの解説をメンバー自身がする前に書きあげたい!」と思ったにもかかわらず、全然間に合わなかったんですけどね。作品を受け取るときは、作り手の言葉や意図からはいったん離れて自分だけで向き合いたいという気持ちがあるので、解説が始まってから「あーどうしよう!影響されるんじゃないのかな!どうしよう!(と言いながら毎日絶対に読む)」と自分のへなちょこさを心配していたのですが、10年間咀嚼し続けて自分の中の印象が定まっていたからか、そこまで左右されることもありませんでした。

重苦しくてしんどくて、改めて聴くとやっぱりダメージが大きい盤で、ここ2週間くらい聴いては凹み聴いては凹みを繰り返していたのですが笑、いよいよ明後日という段階になって、ようやく落ち着いて素直に楽しみになってきました。「オレンジ」がどうなるかが一番気になるなあ。
どうしても少しだけ「こわいな」という気持ちは残ってしまうのですが、でも、今年の夏の一大イベントだから。当日を楽しみに待っていたいと思います。

もっとどーでもよい話

このアルバムには、「純文学がロックする」というコピーが付けられていたのですが……方々で好評なようなのでアレなのですが、見た瞬間に爆笑してしまった記憶があります。「純文学」という単語から想起されるイメージと、「ロックする」という言葉の拙さのギャップが面白くって*9……だって「ロックする」って言います?「ロックしようぜ!」みたいな。「ジャズする」とか「クラシックする」とか「パンクする」とか言わないじゃないですか。「ロック」という名詞が動作を伴うものなのか音楽ジャンルを表しているだけなのか、という認識の差異によって違和感が発生するか否かが決まるのかな。複合動詞して受け入れられるか微妙なラインだと思うのよね……。自分の中では違和感のある言葉選びだったので、ツボにハマってしまったみたいです。未だに目にするとちょっと笑います。笑

Plastic Tree他アルバムレビュー

*1:有村作詞作曲は、全12曲中5曲。他アルバムでは概ね2~3曲です。

*2:一方ナカヤマ曲は気難しいのですぐには仲良くなれない印象があります笑。毎回びっくりして「初めまして、どうぞよろしく、ところでご趣味は」とやらないと近づけないけど、趣味が合うとめっちゃ仲良くなれるような。長谷川曲は親しくなるとかそういう感じじゃなくって、「原風景を共有する」みたいな感覚に近いです。佐藤さんは印象が固まるほど多くの曲を聴けていないのですが、今のところ理解し合うというよりは寄り添うみたいな印象があります。

*3:ちなみに、このアルバムの後半のことを、わたしは勝手に「拗らせゾーン」と呼んでいます。前半と比較して、音の描写も構成も歌詞も、明らかになんかいろいろ拗れている曲ばっかり並んでいます。

*4:SHOXX FILE 2に入っているインタビューで言及されています。

*5:台風じゃないときはそうでもない。

*6:Plastic Treeは基本的に、制作前に改まったミーティングは行わないと言っています。このアルバムが異例。

*7:こっちの全曲の感想も書こうと思ったんだけど、時間が足りなさすぎるのでやめた……。そのうち気が向いたら書きます。

*8:この点でも、『ネガとポジ』と『ウツセミ』は対照的だなと思います。ボーナストラックが純然たるボーナストラックで、ボーナストラックを含まない初回盤の方が正規ルートという印象がある『ネガとポジ』に対して、『ウツセミ』は通常盤のみ収録のボーナストラックである「closer」まで含めて『ウツセミ』、という印象があります。

*9:純文学が高尚だとか、文法的に問題ないとされる表現だけが相応しいとか、そういう意味ではないです。この話をし始めるとそれだけですごく長くなるので省きますが、一般的には小難しい印象がありますよね、程度の意味合いです。