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音楽の話と音楽じゃない話をしようよ

ヤマジカズヒデ・細海魚「暗い嵐の夜だった It was a dark stormy night...」@荻窪ベルベットサン

まさしく暗い嵐の夜のような音楽でした。内向きで孤独で少し怖くて、でもちょっと笑えるような絵。行ってよかったです。

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2017/6/20 tue
「暗い嵐の夜だった It was dark and stormy night...」
ヤマジカズヒデ・細海 魚
at 荻窪ベルベットサン
open 19:30
start 20:00
¥3,000(ワンドリンク込み)

ライブの感想

組み合わせと公演タイトルが気になったので、仕事帰りにふらっと行ってきました。
わたしは知らなかったのですが、この二人によるライブって2015年にも行われていたんですね。

公演タイトルは「暗い嵐の夜だった」、スヌーピー大先生の小説の書き出しでお馴染みの一文です。

この日は火曜日、CDのフラゲ日だったので、タワレコに寄り道したのちのんびりと向かって20:00前くらいに会場に着きました。初めての会場だったので地図を見ながら「ここかな?合ってるかな?」と確認しながら向かったのですが、会場の前でヤマジさんがふつーに煙草を吸っていたのでまったく迷わずに済みました。わたしの対人スキルだと声をかけるとかは無理ゲーなので、存在を消しながら横を通過しました。わたしは無だ。

ギリギリだけど座れるでしょーくらいにのんきに構えていたのですが、椅子は全滅+立ち見でギュウギュウの状態でした……。もうちょっと早くこればよかった。

20:10くらいに開始。
最後尾にいたのでセッティングはまったく見えませんでしたが、終演後にTwitterで確認できました。こんな感じだったのね。

わたしは全然なんの知識もないままふらっと観に行ったので、どんな演奏がされるかわからないまま「細海さんだから繊細でアンビエントっぽいインプロかなー」なんて思っていたのですが、最初からいきなりロックなリズムとリフがきてビックリしました。
ボーっとしていたところをいきなり殴られたみたいな感じで驚いた、かっこよかったです。

途中で15分くらい休憩を挟んで、前半後半で40分くらいずつかな?やったんですが、前半の方はマイナーコード主体のまさに「暗い嵐の夜」みたいな音。上に書いた最初のハードロック調の部分以外は、想像していた感じのアンビエント寄りのインプロでした。同じフレーズが何度も何度も繰り返されていくのを耳をそばだてて聴いていると、いつの間にか音数が増えていたりリズムが変わっていたりして、合わせ鏡ばっかりの迷路にいるみたいな感覚がして面白かった。集中すれば集中するほどすり抜けられるというか、騙し絵みたいな感覚で好き。
後半は、暗い嵐の夜「だった」、みたいな感じで少し優しい雰囲気。最初の方で少年の声のサンプリングが入ってたんだけど、最後にまたそれが聴こえてきて「あ、回帰した」って感覚になったのがすごく面白かった。こういう演奏ってどこまでルールを決めてるのかよくわかんないんだけど、比較的自由に音がいろんな方向へ流れていって、多彩な表情を見せてくれるのに、気が付いたら元の場所に戻っているみたいな、でも元の場所とは違うみたいな、軸がずらされていく渦みたいな音で気持ちよかった。

手元がぜんぜん見えなかったのでお二人がなにをしているのかさっぱりわからなかったのですが、そんなことどうでもよくなるくらい、耳に入ってくる音だけで情景が目に浮かぶ、明晰夢みたいな空間でした。
……とは言っても、次があるなら手元が見える席を確保したいかな。笑

そうそう、あと、ずっと緊張感があって張り詰めているわけでもなくって、ときどきミスしたり極端なエフェクトかけたりして、プレイヤーもフロアも忍び笑いをもらす瞬間もあったりして、すごく居心地がよかったです。ああいう「その瞬間に選ばれて鳴らされた音」によって、空気がふっと変化したりする感じ、すごく好きだ。

会場のベルベットサンは青梅街道に面していて、演者のすぐ後ろはもう道路。
ステージ側はガラス張りでカーテンは床上50cmくらいまでしかないので、通り過ぎる車のヘッドライトとかタイヤとかが視界に入る。それが全然嫌じゃなくて、暗い空間にときどきチカチカと速い光が過ぎ去る感じ、それもまた音楽に合っていました。なんか松阪のM'AXAを思い出しました。

いいライブでした。行ってよかった。次があるなら、今度はちゃんと開場で行きたいな。