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音楽の話と音楽じゃない話をしようよ

clammbon / EGO-WRAPPIN'|「鼓動の記憶~Groove 1~」@中野サンプラザ

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2017/1/19 thu
鼓動の記憶~Groove 1~
at 中野サンプラザ
open 18:00 start 19:00
¥6,000

出演アーティスト

セットリスト(クラムボン

  • THE NEW SONG
  • シカゴ
  • サラウンド
  • 波よせて
  • メロウトロン
  • バイタルサイン
  • KANADE Dance
  • yet
  • tiny pride
EN
  • 水中の光(EGO-WRAPPI'カバー)
  • ある鼓動(クラムボン+EGO-WRAPPIN')

ライブの感想

まだ1月なのに、今年最高のライブを観てしまった気がします。まじ最高。
美しいライティングと鼓膜を震わせるグルーヴ、素晴らしい声と技術と存在感を持つ二人のシンガー!エゴとクラムボンの2マンの時点で素晴らしくないわけないんだけど、かなり高かった期待値をあっさりと飛び越えていく凄まじいライブでした。

1月早々ライブに行きすぎなので、この2daysは初日だけにしておこうと思っていたのだけれど、終演後に流れるように二日目のチケットを買ってしまった。また今日も絶対楽しい!嬉しい!

EGO-WRAPPIN’

ブルージーで染み入るような素晴らしいステージでした。

イベントでしか観たことがないので、1時間がっつりのステージを観るのは初めて。
持っているアルバムも3枚しかなくって、知っている曲はmorning starとENでクラムボンがカバーした水中の光だけでしたが、全ての楽曲に引きずり込まれた。持ってないアルバムもすぐ買うね。

聴かせる曲中心のしっとりとしたセットリスト。
この対バンの実現には、エゴとクラムボンの両方で照明をやっていらっしゃる平山さんのご尽力が大きかったみたいで。その平山さんから、「初日はしっとり」というテーマが提示されていたようです。イベントで観るときのようなダンスナンバーではなく、目を閉じてじっくりと聴き入ってしまうような贅沢な時間でした。しあわせなため息が出る。
MCを聞いた感じだと、かなり珍しいセットリストだったみたい。貴重なプレイを聴けてよかった。素晴らしかった。

あとでクラムボンのところでも書くけど、タイトルに「グルーヴ」と冠されたこの公演初日、エゴとクラムボンそれぞれのグルーヴが正反対と言っていいほど美しい対比を描いていました。

エゴの音は、個々のプレイも素晴らしいのだけれど、どれかひとつの音が突出するのではなくバンド全体がひとつの音楽として聴こえるシンフォニックな演奏。7人という大所帯にもかかわらず、まるでひとつの生き物みたいだった。波のようにうねるリズム、いつまでも浸っていたかったなあ。大きなものに包まれて連れ去られるような感覚がした。

グルーヴと同じように、ライティングも対照的でした。エゴの照明は、赤や青や白が渾然一体となって円を描くような、うねってさらうようなひかり。やわらかく変化してゆくグラデーションの情景、夢みたいだったなあ。

美しかった。

クラムボン

しっとり聴かせきってホール中の空気を染めきったエゴと対照的に、最初からかっ飛ばしていくスタイル。定番曲でガンガン攻めていくセットリストはもちろん、メンバーそれぞれの音がステージ上でぶつかり合うようなグルーヴも正反対。
なんて美しくて贅沢な対比!
この日のエゴのグルーヴが「調和」なら、クラムボンは「闘争」という感じでした。笑  きっもちよかった!

エゴのところで書いた照明の平山さん、クラムボンには「しっとり」とは伝えていなかったらしく、ミトさんと原田さんがしきりに「さっきエゴMCで初めて知った」「聞いてない」「コンセプト間違い」と言っていたのが面白かったです。楽しかったよ!

演奏と同じように、エゴとは照明のスタイルも全然違って、色と色が混じり合うのではなく、それぞれの色がパッキリと主張したまま煌めくような、直線的な光。ステージ下部と上部に6つずつ設置された強い光が、ストロボのように瞬く光景が今でも目に焼き付いている。バイタルサインだったかな、赤一色に染まりきったステージが、ぞっとするほど美しかった。

そうそう、「本当に美しい照明だな、最高だな」と思って調べてみたら、フィッシュマンズの照明をされているあの方だったんですね。そら素晴らしいに決まってるわ。
エゴとクラムボンが「平山さん」と呼んでいらっしゃった照明スタッフの方は、平山和裕さん。ステージ全体をひとつのキャンバスと見立てたかのように、瞬間の音に合わせて最も美しい情景を作り出すその手腕、本当に素晴らしかった。この方が照明を担当しているライブを選んで観に行きたい、と思っちゃうくらい。最高。サカナ、ライブで観たことないけど、今度行ってみようかな。

EN

本編があんなに楽しかったのに、アンコールはそれを余裕で上回るくらい楽しかった!なんだろう、この楽しさ天井知らずな感じ。

最初はクラムボンの3人が出てきて、エゴの「水中の光」のカバーを。

大好きな曲だから演奏してくれるだけでも嬉しいのに、それがどこからどう聴いてもクラムボンの音で、びっくりしたし感動した。さすが、さまざまなアーティストのカバーを山ほどしているだけあって、楽曲を自分たちのものに昇華しきる力量が凄まじい。
原曲はじわじわと熱が上がってゆく、抑制されつつもゆっくりと解放に向かってゆくような楽曲なのに、クラムボン版の演奏はアッパーでパワフル、光に向かってまっすぐ突き進むようなプレイだった。

でも、歌は逆で。中納さんの歌からイメージされるのは、まっすぐ降りそそぐ強く白い光で、でも原田さんの歌は、水中にやわらかく散るあわいひかりみたい。
本当に、心から贅沢な時間だった。こんなに声質も歌い方も違う、でも両者ともに素晴らしいシンガー二人の歌を、曲もメンバーも音も最高の環境で味わうことができるなんて。

クラムボンカバーの「水中の光」のあとは、エゴを呼び込んでクラムボンの「ある鼓動」のセッション!エゴはドラマー以外のバンドメンバーも一緒です。

中納さんの「ある鼓動」、凄まじかった。一音目を聴いただけで意識を持って行かれた。すさまじい吸引力、伸びやかで、どんな音程も軽々と乗りこなすさまは最高にカッコいい。

 

本当に楽しかった、この最高の2マンが、今日もまた浴びられるなんて!
エゴはガンガン踊らせるセットリストだって言っていたし、ゾクゾクするほど楽しみ。1月からこんなにクライマックスな感じで楽しくていいのかな!もうすぐ開演なので、メモ書き程度だけど昨日についてはこれで。