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Plastic Tree|2016秋ツアー「Black Silent/White Noise~喧騒の名古屋編~」@名古屋ボトムライン

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行ってよかった。本当に楽しかった。
レポゼロの単なる感想文です。

Plastic Tree、昨年の年末公演があまり楽しめなかったこともあって、2016年date youは通っていたのですがプラにはほとんど顔を出していませんでした。春ツは全スルーで唯一行ったのがv-nation、金子さんがいないことに首を傾げつつ、フラスコいい曲だな、それにしても全体的に演奏ひどいな、と思った程度。ずっとやってほしかった会場である国際フォーラム(音響が神)が決まったにも関わらず、今の演奏で聴いても楽しくないかもしれない、と二の足を踏むくらいには気持ちが落ちていました。

でも名古屋がlynch.と2マンだというので、ここ最近はどちらからも足が遠のいているけれど、兼業していた身としては非常に喜ばしい組み合わせだったので行ってきました。

まさかのリンチで乗り切れないという事故が起こったものの、全体的に楽しかったので感想だけ書き留めておきます。

 

2016/10/02 sun
2016秋ツアー「Black Silent/White Noise」名古屋追加公演~喧騒の名古屋編~
名古屋ボトムライン
open 16:00 start 17:00
¥5,500

出演アーティスト

セットリスト

lynch.
  1. STARZ
  2. THE FATAL HOUR HAS COME
  3. EVILLY
  4. GREED
  5. DEVIL
  6. GHOST
  7. an illusion
  8. INVINCIBLE
  9. MIRRORS
  10. pulse_
  11. a grateful shit
Plastic Tree
  1. フラスコ
  2. メランコリック
  3. メルト
  4. テトリス
  5. サイレントノイズ
  6. マイム
  7. バンギャル
  8. 静かの海
EN(Plastic Tree+葉月・悠介)
  1. Ghost(Plastic Treeの方)葉月悠介参加セッション 中山タンバリン

ライブ感想

lynch.

最近の曲も音源としては聴いているし、メジャー行くまでの曲は身体に染み付いているし、なによりリンチの強みは曲なんか知らなくてもライブで勝手に身体が動く衝動的な楽しさだと思っていたから、まさかこんなに身体が動かないとは思っていなかった。
このライブが決まってからあった豊洲の無料ライブはニコ生で観て非常に楽しかったので(プラもリンチもゴーストやってくれ!とコメントで騒いだりしていた)自分の反応に自分でびっくりしていました。

でもやっぱりノリに付いていけないきっかけとなったのは、暗転した瞬間の押しかなあ。わたしの記憶の中にあるリンチのフロアは、好き放題暴れるけど基本その場から動かなくって、押しなんてありえない品行方正な暴れ客だったので。少しびっくりしてしまって、けっこう前を確保していたのだけれど押さない位置まで下がってしまった。

まさかのスターズ始まりで、途中のアンイリュージョンも大好きなので嬉しく思いつつそれでも乗り切れず、気持ちが追いつかないまま終わってしまいました。
パルスなんか最初のスネア聴いただけで臨戦態勢に入るような感覚が残っていたはずなのに、「セックスしようぜ」の煽りで完全に固まってしまって身動きできず。

自分でも理解していなかった、というかあんまりちゃんと考えたことがなかったのだけれど、プラに求めているものとリンチに求めているものが違いすぎた、ということなんだと思う。プラを見るときのわたしはプラの音楽を聴きに行っているのに対して、リンチを見るときのわたしは、「気持ちのいい音楽で暴れるため」に行っている。そのことを今さら思い知った。リンチのライブに対しては、あくまでフィジカルなものが先行していて、精神的な充足とか音楽としての満足とかはあんまり求めていない。

これは、いいとか悪いとかの話ではない、と思う。「リンチの世界観」的なものにわたしはずっと昔から共感していないし、セックスしようぜって煽られるのも昔から嫌い。(残ってた。2009年のLOFT→http://nomuzikfighter.hatenablog.com/entry/2016/11/06/210901 )でもそれでライブがつまらなくなったりはしなかった。彼らに対する信頼は、「お金と時間をかけてその場に行くこと」に対してきちんと敬意を払ってくれて、それに全力で応えてくれる、というところにあるから。ライブをやる、現場に行く、ということを大切にしてくれて、存分に楽しませてくれる、その一点をひたすらに信頼していて、その一点がひたすらに大好きなのだと思う。

その一方で、プラツリに求めているものはまず第一に音楽的な満足であり、第二に精神的な充足。フィジカルな要素はほとんど求めていない。楽しませてほしい、という欲求はあんまりなくって、美しく圧倒的なものに突き放されて呆然としたい、という感覚の方が強い。なんというか、ほんの一瞬だけしか存在しない、奇跡的な情景を求めることに近い。だから演奏で満足できなければそれだけでがっかりするし、セットリストに構成美が感じられなければ入り込めない。でも、それが完全に噛み合ったときは本当に唯一無二の情景を見せてくれるし、その一点をただただ信頼している。別に暴れたいとか踊りたいとかは、あんまり思っていない。

この日はPlastic Treeのツアーにlynch.がゲスト参加するという形で、しかも前日は同会場でPlastic Treeのワンマンがあった。もちろん、せっかく名古屋に行くので前日も観ていた。(色々と考えさせられたけれど、いいライブだった。サナトリウム→影絵→時間坂の流れとバリアはザクザクと刺されるようで辛かったけれど、とてもよかった。シオンと空中ブランコは嬉しかったけどもっと練習してください。)そのせいでたぶん、わたしの感覚が完全に「Plastic Treeのライブを見るときの状態」になっていたんだと思う。その状態で刹那的で身体的な楽しませ方をしてくれるリンチのライブを投げ込まれたから、たぶん、なんかこう、ギアチェンジがうまくいかないというか、感情が迷子みたいな感じになってしまった。

本当に楽しみにしていたので、リンチTリンチパーカーリンチリストバンド、という格好で行ったにも関わらず、終始棒立ちの地蔵になってしまった。なんか本当にごめん。ごめん。

Plastic Tree

前述のような状態だったので、Only Shallowが流れた瞬間の「これを聴きに来たんだよ」感がすごかった。マイブラをっていう意味ではないよ。

近年は、中山さんのアレンジが変化していく方向と自分が好きな方向とが一致しなくて、ずっと戸惑っていた。ここ最近の傾向は「重ねすぎない」「ディレイかけすぎない」「ライブ感を大切にする」って感じだと思うんだけど、やっぱり私は、幾重にも幾重にも繊細なレイヤー重ね合わせて構築された幻想的な音が好き。そういったタイプの中山さんの仕事は本当に美しい。こればっかりはもう、アーティストの理想と自分の嗜好が乖離しているということなのでどうしようもないんだけど、どうしようもないことなんだけどそれが辛かった。

あとここ最近の有村さんの古語ブーム・和メロブームも馴染まなくって。サイレントノイズ、好きなんだけどインストばっかり聴いていたり。

だから前日のライブを観たあとも色々と考え込んでいた。バンドとしていい状態なんだな、ということがストレートに伝わってくる空気感で本当に楽しかったし、ところどころ微妙なところはありつつ(シオンとか!ほんとに!)全体的に演奏はよかったし。新調したという正くんのベース、かなり輪郭がパッキリして自己主張の強い音でかっこよかったし、佐藤さんのドラムはもともとあった柔らかさや暖かみがより強く感じられるようになっていた。中山さんのギターはもちろんカッコよかった。

でもこれはやっぱり100%の満足ではない。

初日は整理番号があまりよくなかったので最後尾で壁にもたれかかって観ていたのだけれど、開演前にスマホをいじっていたら、聴き覚えのあるキラキラした音が聴こえてきて、バッと顔をあげたらやっぱりジャズマスターだった。有刺鉄線ギター、以前より好きになったし素直にかっこいいなあと思って聴けるようになってきたけれど、やっぱりウォルナットの方が圧倒的に好きだし、ジャズマスターストラトが出てくるとテンションが上がる。でも、久しぶりのジャズマスターで聴いた空中ブランコは、以前とはかなり趣が変わっていた。確かにこれはメインギター変えるわよね、とストンと納得がいくくらい。

昔に戻って欲しいわけじゃないし、ずっと同じ場所で停滞していて欲しいわけでもない。でも、そう思っているはずなのに変化についていけないことが悲しかった。サイレントノイズに入っている3曲は静かの海が一番好きなのだけれど、イントロやソロのあんなにシンプルな、真っ向勝負みたいなフレーズを初めて聴いたときはびっくりしたし、ライブでそれを丁寧に弾く様にもびっくりした。それが綺麗で、だから余計に。

 

という感じで実にグタグタと考え込んでいたのだけれど、名古屋2日目、フラスコのイントロが耳に入った瞬間にそれが全部吹っ飛んだ。

lynch.という音的に正反対の対比があったからだと思う。わたしはこれまでずっと「記憶の中の中山さんの音」と「目の前の中山さんの音」とを比較して、もっといえば「記憶の中のPlastic Tree」と「目の前のPlastic Tree」とを比較して困惑していたんだと思うけれど、そんなのほんの些細な違いで記憶の中だろうが目の前だろうが中山さんの音もPlastic Treeもこんなに大好きじゃん!とめちゃくちゃ当たり前のことにガツンと気づかされた、感じだった。

そこからはもうただひたすらに楽しくて、実をいうとあんまり好きではないマイムやテトリス(歌や演奏が崩れがちなのだ)であそこまで楽しかったのは本当に久しぶりだった。

あー中山さんかっこよかった。中山さん世界で一番かっこいいわ。当たり前だった。こんなの宇宙の常識だった。

こういうよくわからない精神状態だったので、リンチを楽しみきれなかったのが心残り。リンチ自体は本当にいいライブをしてくれたので、ノれなくて申し訳なかった。11月のコミューンには行くので、そのときリベンジしたい。

 

 

あと、ここまでグダグダ書いたこととなんの関係もなく、アンコールはただただ可愛くて死んでた……なんなの、あのタンバリンの妖精さん……可愛いよお……死ぬよお……。

アンコールが葉月と悠介を交えてPlastic TreeのGhostをやるというものだったのだけれど、ギターを完全に悠介に任せた中山さんは、終始タンバリンを持ってステージを駆け回りシャンシャンシャンシャンしていた。なんだあれは。妖精かな。妖精だな(確信)。

リンチが終わって転換中のサウンドチェックでジャズマスターらしき音がしなかったので「愛しのジャズマスちゃん……今日は会えない……」と悲しくなり、しかもリンチで動けなかったというショックもあって非常にテンションが低かったのですが、幕が開いた瞬間にmac横にタンバリンがあったから「???」となっていたんですよ。まさかそしてパレードは続くとかやる?ロムとかいわないよね?やったらめちゃくちゃ嬉しいけど、どうなの?と考えていたら、まさかのGhostですよ。それあなたの代表曲なんですけど、間違いなくタンバリンを必要としない曲なんですけど、それでいいんですか!いいんですね!いいぞもっとやれ!

いつも上手で微動だにしないあの中山さんが、ステージ上を駆け回り、タンバリンシャンシャンしたり腕に入れて回してみたりと終始満面の笑みでフロアをかまってくれる様を見て、わたしは明日死ぬのかなと思いました(感想)。しかもその後、正くんからベースを奪って〆のときベース弾いてましたよ……やっぱりわたしは死ぬんじゃないだろうか。あるいはこれは現実ではなく、共同幻想の可能性がある。

有村さんが中山さんの唇に赤いグロスを塗ってくれたのもあって、なんかもう美しい妖精……妖精がステージを舞っていた……えーん赤いお口の中山さんがライブに顕現するなんて奇跡ですか!有村さんよくやった!いつも熊さんとかいってごめんね!

缶ビールを空ける「カシュッ」という音を再現したがる有村さんのために、頼まなくてもスッとマイクを持ってくれる中山さんは世界で一番イケメンだし、夫婦は夫婦だなと思いました。

 

アンコールのプラはいつもゆるっゆるなのであれはいつも通りの状態なのですが、巻き込まれて戸惑いまくっている葉月がかなり可愛かったです。うちのゆるふわおじさんたちがすまんかった。

あ、あと、念願の中様と悠介のツーショットという世界一美麗な光景を見られたので満足です。中様とゆうこは美しい。

追記

蛇足ですが。

v-nationで見かけなかった金子さんが、ロッキンでも不在、今回のツアーも不在、という話は聞いていたのですが、実際に不在を目にすると少ししんみりとしてしまいました。出世して現場から離れたのだと勝手に思っています。

これまで正くんについていたサウンドクルーの方が上手についていたのですが、まったく違和感がなかったです。音もそうだし、相変わらずライブ中に上手のスタッフさんと談笑する山さんでした。いろんなことが変わっていくなあと思いつつ、変わっていくのもそう悪いことじゃないよねと。

有村さんのソロもとても楽しみ、早く聴きたいな。

 

2017/1/10追記

FC旅行に行った友人いわく、金子さんは会社側の都合で離れられたそうです。
お元気ならよかった、、安心しました。

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