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NO MUSIC FIGHTER

ライブレポ90% CDレビュー10%

Plastic Tree|2014秋ツアー「そしてパレードは続く」@埼玉・市川・仙台・渋谷

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感想だけ。

今回のツアーは、埼玉・市川・仙台・渋谷に行きました。埼玉はがっかり、市川は釈然としないライブだったのですが、仙台は楽しめたし、渋谷は観たかったものが観られました。
ライブタイトルが示すとおり、2000年にリリースされたPlastic Treeの3rdアルバム「Parade」を主軸としたライブ。ツアーの各会場で、ツアーセットリストとは別にその会場限定の曲が演奏される、というスタイルでした。

20140917 wed @HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3

限定曲は暗転。
いい意味で予想外の選曲、大好きなので嬉しかったのですが色々あり、演奏にまったく集中することができませんでした。なので感想はありません。

印象に残っているのはベランダと空白の日。ベランダはチープで軽い同期と楽器隊のわりとざらっとした質感の演奏の対比が気持ちよかった。空白の日は今ツアーで行った公演すべてでよかったなと思った曲です。ギターソロが透明でもの寂しくてすき。

悪い意味で印象に残っているのはマイムとトゥインクル。マイムは音源だとすごくいいのに生だと遅くもたついて聴こえる。この曲はメロディの一音一音の間がわりと大きいので、切るところで切らないと間延びして聴こえるのかも。ブレスのタイミングも難しそう。トゥインクルは、どうも同期に支配されて単調になっている感じがあったのと、最後の有村さんのハミングがすべて外れていてめちゃくちゃ気持ち悪かったせい。

音響のバランスが悪くギターがほとんど聴こえず、演奏自体のクオリティも低く、客層も(たまたまわたしの周囲がそうだっただけだとは思うのですが)最悪でした。他の人を突き飛ばす人がいたり、ドリンクカウンター前で、場所取りしてるから退けと言う人がいたりで、音楽以外の面でうんざりさせられた部分も大きかったです。また、セットリストにエーテル睡眠薬とリコールがなかったことにもかなり気落ちしました。個人的に、Parade収録曲で聴きたい曲上位3曲(エーテル睡眠薬・空白の日)中2曲がない、というのはかなりテンションが下がることでしたし、発売直後のツアー以外でc/w曲が演奏されることはほとんどないのに、セットリストに入っていないということは、もうお蔵入りしてライブでは観られないかもしれないとがっかりしました。

ギターが聴こえないぶん低音はかなり大きく聴こえていたので、この日はほとんどリズムを聴いていたのですが、荒っぽい音響の影響もあるのかかなりゴリゴリしたタフな音になっていて、そこはとても気持ちがよかったです。

20141006 sat @市川文化会館

いいライブでした。演奏のクオリティは高かったし、ホールという場所を生かした演出で、視覚的にも楽しめました。一曲目にリコールが入っていたことも嬉しく思いました。

リコールは、尺の短い曲だというのもあるのでしょうが、全体的に、想像していたよりは冷静なプレイでした。でもそのミニマムさがよかった。音源とコードが変わっていることも興味深かったです(後日注:コード、変わってないです。PCのシャカシャカした音で聴いていたらcgefな気がしていたんですが、ちがった・・・イヤホンで低音ブーストして聴いてみたら、ライブは音源通りでした。恥ずかしい・・・)。短いから緩急をつけるという目的だったのかな、ドラマティックな雰囲気になっていて、こっちもすごくいいな、すきだな、と。ただ、大サビの有村さんの歌でかなりがっくりした印象があります。

トゥインクルは、埼玉で聴いたときよりもかなりブラッシュアップされていて、グッときました。音源の1:34~の部分、同期とのハモりだからやっぱり演奏が平坦になるのも仕方がないのかな、と埼玉で思ったのですが、市川はそんな気持ちをあっさりと裏切ってくれました。軽やかで跳ねて落ちるような音、引き込まれました。この曲は照明もよかった。

限定曲はサイコガーデン。なんだか久しぶりに聴いた気がします。楽しかった。

また、今ツアーはセットリストが2パターンあり、市川は埼玉と違う方だったのですが、個人的にこちらの方が流れがよかったと思います。

ただ、演奏のクオリティは高かったのですが、「現在のPlastic Tree」という感じがしませんでした。なんだかParade当時のプラみたい、という印象。わたしは当時のライブを観たことがないので、当時のライブの音、という意味ではなく、音源の音や質感、雰囲気が丁寧に再現されているように思えました。主にギターの影響だとは思うのですが…この日はほとんど有刺鉄線N4を使用していたのですが(少女狂想がレスポール、ゴーストがV、他にも数曲変えていたかも)全体的に音色があたたかくまるく、可愛らしい雰囲気だったように思います。照明や映像もあいまって、一冊の絵本のようなまとまりのあるライブだったのですが、わたしの観たいものはこれじゃない、という感覚もまた、強くありました。言い方を悪くしてしまえば、本編はややライブ感に欠けるライブだったように思います。 

20141011 sat 仙台Rensa

市川がいいライブだったにも関わらずそこまで楽しめなかったので、今回のコンセプトがわたしには合わないんだろうな、仕事の日程も微妙だし行くのやめようかな、とかなり直前まで悩んでいたのですが、結局行きました。

結論として、行って本当によかったです。楽しくて気持ちのいいライブでした。演奏的なクオリティは市川の方が上だったと思うのですが、仙台は躍動感がありアドリブも多く、ライブならではというものが聴けて嬉しかった。

特にこの日はドラムが最高でした。わたしはこれまでずっと、佐藤さんのプレイにもっと「俺が俺が」みたいな部分がほしいな、支えること守ることを大切にしてくれるのは嬉しいけど、もっと前に出てきてほしいな、と思っていたのですが、この日のプレイはまさにそれでした。弦楽器隊にかなり遊びが多かったのですが、それはドラムががっちり支えてなおかつ演奏をぐいぐい引っ張っているからだと感じました。もーほんっとカッコよかった。勝手に体動いた。

限定曲は、アローンアゲイン、ワンダフルワールド。そこまで好きな曲ではないのでタイトルコールされたときは「えー」と思ったのですが、これが抜群にかっこよかった。シンプルなアレンジが逆にグルーヴを際立たせて、震えがくるくらい気持ちよかったです。

 

ただ、ライブ自体は本当に楽しかったのですが、ライブ終了後にtwitterで大正谷さんが呟いた「自分が叩いてた時の曲をノーストレスで聴けたのは初めて」という言葉にかなり萎えて、帰りの新幹線では楽しかった気持ちが皆無になっていました。昔からのファンの方だと違うのかもしれませんが、わたしには加入してからこれまでの佐藤さんとササブチに対する侮辱にしか感じられませんでした。

なにかを賞賛する時に、「マイナスの状態ではない」という表現を使用するのがまず無礼です。また、「初めて」ということは言外に「これまではストレスを感じていた」と述べているも同然なのですが、自覚はあったのでしょうか。どうして「今日のプレイがよかった」で済ませずに同時に何かを貶めなければ気が済まないのか、理解に苦しみます。

他意はないのでは、と仰って下さった方もいらしたのですが、これまで散々ブログで「いまのプラは素直にすき、これまではうるさくて聴きたくないときもあったけど」「ドラムがケンケンになってからのプラは純粋に好き」「ケンケンはオカズで走らないし曲を壊さないからいい」等、要するにそれササブチのことdisってるんですか?としか思えないようなことをネチネチ書いていた人なので、わたしには他意がないとは全く思えませんでした。極めて不愉快でしたし、未だに不愉快ですし、おそらく一生忘れません。

20141019 sun @渋谷公会堂

上記のことがあって、かなりテンションが下がって、開演の一時間前近くまで行くか行かないか悩んだ公演でした。

フロント三人にとっては昔一緒に活動した大切な人でしょうし、佐藤さんにとっても先輩でありこれまでのプラを作った大切な人なんだと思います。昔からのファンの方にとっても大切な人でしょう。だから仙台では「大正谷さん、ありがとう」という言葉がステージから出たのでしょうし、フロアもそれを喜んだのでしょう。でもわたしはその気持ちに全く同調できないし、そういった気持ちで演奏されるものを素直に受け取れる気がしないし、あのササブチを否定している(ようにわたしには思える)言葉を受け入れている、そういうツアーなのだとしたら、その客にわたしはなれないしなりたくない、……とかよくわからんことをグダグダ考えて頭沸騰しそうだったのですが結局「プラじゃなくてアキラ観に行く」というよくわからん開き直り方をして観に行くことにしました。

仙台と同じなのですが、悩んだけど行って本当によかったです。

素晴らしいライブでした。

これまでのツアーとはセットリストの違う、Parade全曲を頭から演奏する第一部、マイム収録曲を主軸とした第二部、の二部構成で、特に第一部はMCも一切ない緊張感のあるステージで本当に素晴らしかったです。フロアとステージが隔絶しているような、ある種突き放されるようなライブが本当に好きなので、震えがくるほど嬉しかった。途中途中、普段であればMCを挟むであろうタイミングでは、不穏で静かなSE(中山さんが作ったのでしょうか)が流れていて、それもよかった。Paradeというアルバムにはどうしても可愛らしい印象を持ってしまっているのですが、そういった親しみやすさの一切を排除した張り詰めたライブでした。演奏のクオリティは高くライブ感も強く、それになにより全曲完全に今のプラの音なのが本当に嬉しかった。あと、このツアーではほとんど姿を見なかった(はず)のウォルナットがいたことも、かなり嬉しかったです…。

第二部もよかった。アンビエントのようなセッションからのリコール、もう音も含めて全てが情景として美しかった。DVDになるのが本当に嬉しい。早く見たい。

個人的に、市川公演が「アルバムParadeの持つ世界の再現」だったとするならば、渋谷公演は「現在のPlastic TreeによるアルバムParadeの再構築」である、と感じています。

 

 

 

ツアー全体としていえば、楽しくて心に残るツアーだった、とはとても言えないものでした。わたしにとって今回のツアーは、終始疎外感と共にありました。たくさんの人が楽しんでいるように楽しめない、たくさんの人が喜んでいるように喜べない、たくさんの人が祝福しているように祝福できない。こんな気持ちで観に行ったらメンバーにだって失礼だ、とか色々考えていたのですが、でも最後の渋谷、あの音と情景はきっとずっと忘れないし、しんどかったけど、観に行ってよかった。

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