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音楽の話と音楽じゃない話をしようよ

凡庸な逆回転・番外編〜アコースティック三〜@下北沢GARDEN

20130729 mon
「凡庸な逆回転 番外編 〜アコースティック三〜」
下北沢GARDEN
open 18:00 start 18:30
¥3,500

出演アーティスト

ライブ感想

書くのやめようかな、ろくなこと書かんしな、と悩んだのですが、ピープル波田野氏のファーストインプレッションを残しておきたいので、書いておきます。

波田野さん以外はdisっています。波多野さん以外っていうか、有村&野村ペア。でもほんとひどかったぞ。

 

波田野さんは三番目。
かっこいいよと言われながらもなんとなく聴く機会のなかったピープルですが、気になってはいたので、今回の出演はとても楽しみにしていました。

ギターを持って出てきた波田野さんを、「こういう人なのかー」と眺める。顔もわかっていなかったので。雰囲気のある佇まいの人だなー、と思っていたら、息を吸って吐き出された最初の一声で、一気に持っていかれました。

まず、単純にうまい。それから、声質や歌い方やところどころ聞き取れる詩も好みだし、単音でつま弾かれるギターの音も好き。

マイクに対して顔を近づけたり引いたりして、音量やビブラートの調整をしていて、おもしろい。ゆらゆらと揺れる頭の、一定ではないリズムが、ふしぎと歌と、とても合う。

正直、体も意識もすべて持っていかれてしまったので、細かい感想はあんまり覚えていないのです。すごく気軽に言葉を発信できる(だからいらんことぽろぽろ言ってしまう)tiwitterでも、どう表現すればいいのかわからなくて、「歌うまぁ」としか呟けなかったくらい。

なんて言うのか、ふしぎと丸い声の人だな、でも、その声は丸みを帯びているけれどしかし球形ではなくて、うーんなんだろう、不思議だなあ、と思いながら聞いていました。

ここからはこの当日ではなくて、CD(twitterでおすすめしてもらった『Ghost Apple』を買いました)を聴いてからの感想なのですが、彼の声は、拡散して上昇してゆく声なのだな、という理解で落ち着きました。で、それは録音できない。初めてCDを聴いたとき、「あれ、この間きいたときと声の印象がちがう」と思ったのですが、その差異は音源だとその声の広がりを録音できないせいではないかな、と。CDでは、もっと端正な粒状の声だった。わたしは生の、ふわっと拡散していくような響きの方が好きです。

 

以下は他の感想。

 

久しぶりに、「あー、凡庸ってこういう内輪イベントだったわ」ということを思い出させてくれる凡庸でした。先日、元明海月の友だちに「凡庸って必死な太朗海月しか行かないイベントでしょ」と言われて「最近の凡庸はそんなことないよ、楽しいよ」と返したんですが、今はあの言葉を後悔しています。

ヒロさんと有村さんの演奏にがっくりしました。トールさんはドラマーだからなって思うけど……。(リュウジさんは間に合わなくて見れていません)

ヒロさんは特別ひどかったってわけじゃないんだけど、ちっともよくもなく、退屈で寝るかと思った。ギターも聴いていてちっともおもしろくないし。うーん、でも、まあ、エレキとアコギはぜんぜん違う楽器だしなあ。期待値が高すぎたのかも。

有村さんは、ほんと、何度途中で帰ろうと思ったことか。アンコールでまた波田野さん出てくるかもしれないしなあ……と思って残っていましたが、うーん、帰ってもよかったなあ*1。全部がだめだったわけじゃなくて、「順子」とか「I LOVE YOU」とかよかったんだけど。

最初の二曲は弾き語り、あとの曲はLM.Cのサポートやってる野村さんとのセッション。一曲目はいるかの「なごり雪」で、あれって実際に歌ってみるとよくわかるんだけど、意外と低いので、有村さん歌いづらそうにしていたな。二曲目の「順子」は音域もぴったりで、すごくよかった。次の「I LOVE YOU」からキーボードの野村さんが入って、これがとてもよかったので、とてもわくわくしたのよね。でも、期待に反して、ここからはどんどんテンション下がっていくばかりだった。演奏、後半戦が、ほんっとうにひどかった。

野村さん、LM.Cのツアー中だって言ってたから、合わせる時間あんまりなかったのかな。でもさー、練習する時間ないなら、それでろくな演奏できないんだったら、最初からやるなよな。わたしは野村さんの演奏を他で聞いたことがないので、彼がどういったキーボーディストなのかはよくわかりませんが、本来の彼の演奏を聞いてみたい、という気にまったくさせないひどさでした。間違えまくるし、リズムぐちゃぐちゃだし、アドリブもきかないし。で、キーボードのリズムがぐちゃぐちゃになる要因のひとつが、有村さんのギターで。なんだあのよれっよれのリズム。プラでもけっこういつも気になってるけど、今回ほんとうにひどかった。演奏のしっちゃかめっちゃか具合にほとんど酔い気味で気分が悪くなってた。「時代」とか、「これをアコースティックでやってみたかった」とか言ってそれかと。曲に対する侮辱に近い。

まあでも凡庸だしなあ……。最近のネジがかっこよかったので、期待値上げすぎていたわたしが悪かったかな。上げすぎていた評価を適正値に戻せた、と言えるかもしれない。そういう意味では有意義なイベントでした。とりあえずアコースティックはもういいや……。

*1:実際アンコールでまた出てきてくれましたが、全員でぞろぞろ並んで適当に歌っただけだったので。