2018年初春のライブ:ピアノとかロックバンドとかアンビエントとか
今年もぼちぼちライブに行っています。
私生活が慌ただしくて細かく書き留めていませんが、忘れたくないことがたくさんあるので覚え書き。
2018/1/15 mon velvetsun presents Futurama Ⅰ@WWW
新年一発目は愛するピアノを。
世武さんとスガさんが出るのでウキウキしながら向かって、期待をまったく裏切らないものが聴けて、とても楽しかった。
まったく異なる個性のピアニスト三人によるそれぞれのステージ、短編映画三本立てみたいな感じで面白かった。桑原さんのトリオは春の新芽のようなみずみずしさ、早朝の植物のようなしなやかさがあって、世武さんのトリオは一転して夜、都会のネオンのうるさい夜、毒を食べながら走るようなタフネスがあってたまらない。このトリオは絶対にまた観たい。そして最後にダイロートリオ、人間が一人もいないような枯れきった寒い冷たい情景、わたしが勝手に抱いているヨーロッパの冬みたいな厳しくて冷たくて硬質な音だった。それが最後にほんの僅か光が射すよう、変化したのが美しかった。
あとぜんぜん関係ないけど、どのバンドもベーシストがメガネをかけていてちょっと面白かったです。
この日はカレーが売られていたのですが、食べようと思ったら売り切れていて切なかったです……。カレーおいしそうだったよ~。
1993年生まれのクリエイター30名がつくる「1993」展
会期終了ギリギリで観に行きました。D.A.N.の櫻木さんが参加しているので。
93年生まれのクリエイターたちの合同展示。狭いスペースに衣類や写真がズラリと並んでいる。全体的にフレッシュ、DIY感のある展示。わたしはここに足を運んだきっかけがD.A.N.だったので、彼らの印象と比較しながら観ていたのですが、あの平熱感や一歩引いた客観的な視線、都会的でミニマムな印象が全体的なトーンで、これが「1993」のモードだと彼らは感じているのだな、と思いました。デジタルネイティブ世代とか検索エンジンとかユーチューブとか、論じて説明しようと思えばできるんだろうけど、そういった画一的な批評からも一歩引くような余所余所しさとフレッシュさが同時にあって面白かったです。
ZINEを買ったので、パラパラと読み進めているところ。櫻木さんが音をつけている映像、まだ観ていないので、ゆっくりコーヒーでも飲みながら今週末にでも観ようかな。
2018/1/17 wed 坂本慎太郎LIVE@LIQUIDROOM
チケット取れたんですよ。ウキウキしながら向かって、ウキウキしながら聴いて、ウキウキしながら帰りました。
とても楽しかったのだけれど、わたしの周りだけなのかなあ、演奏中ずっとお喋りしている人たちが複数いて、かなりしんどかったです。場所を移ろうにも完全ソールドだったので移動もできず、ひたすらフラストレーションだけが溜まりました。倫理と理性と法が許すなら、細くて長い針を可愛いお口にそっと差し込んであげたのに。眩しいとか煩いとか録音してるとか、そういうのには直接苦情を申し立てる方なのですが、この日は元気がなくてそれも無理だった。心の中でそっと取りたいチケット落選しまくる呪いをかけておきました。
でも演奏は最高だった。わたしはゆら帝のライブを観たことがないので、初めて観る坂本さんと初めて生で聴く坂本さんの声にうっとりしてしまった。溶けたアイスクリームみたいな歌声!リズム隊もかっこよくて、周囲の話し声に辟易しながらも、意識をできるだけフワフワさせながら体を揺らしてぼんやり聴くのが気持ちよかった。「ディスコって」と「好きではないけど懐かしい」が印象に残っています。
2018/1/19 fri white exhibition@The White
岡田拓郎、duenn、H.TAKAHASHIによる、アイマスクをしてアンビエント一時間一本勝負を聴くというあやしいイベント。古いビルの暗い一室、乱雑に置かれた椅子に座りこんでアイマスクをして、ひたすら電子音を聴き続ける集団。外からみたらそうとうあやしい、でもアイマスクして完全に没入してるから、聴いている最中はそういった思考に意識を引っ張られることはなかった。
「聴くとはなにか?」という根源的な問いが内包されているイベントで、不思議な体験でした。座り込んで壁にもたれかかって、目を閉じても目を開けても変わらない真っ暗な中で、音だけが絶え間なく響き続けていて。皮膚がなくなって体中がすべて音に融けてしまうようだった。 聴くとはなんでしょう。なぜこの振動の連なりを、こんなにも美しく思うのでしょう。
2018/1/21 sun 10th Anniversary 「The Final」People In The Box@EXシアター
セットリストが素晴らしかった。新曲も交えつつ代表曲オールスターみたいな贅沢さで畳みかけて、オーラス一曲前に “思い出は部屋に残していけ” “さあ行こうぜ/花をまきちらして” と潔く歌いきる「木漏れ陽、果物、機関車」、からのラスト最新曲「かみさま」。ライブが行われた二時間、たった二時間の間に、彼らの十年間が詰め込まれていて、時間を旅するような感覚があった。
いやあ……よかったです。よかった。
フロア、十年前からすきだった人たちもいたのだろうし、あるいはファンに連れられて来ただけでまだピープルをすきじゃない人もいたかもしれない それぞれの人たちにそれぞれの曲の見方や思い出があって、楽曲が演奏される毎に、無数の記憶の連鎖があの場に結実して撒き散らされる花になったようだった
— haru (@inai15) 2018年1月21日
2018/2/5 sun 勝井祐二 × スガダイロー(pf) DUO@440
ものすごーく久しぶりの勝井さんのランチライブ。
このデュオはおととしから活動しているらしいのですが、わたしは初めて。お二人のスタイルを考えるとエモーショナルでアバンギャルドな感じになるのかな?と想像していたら、それより落ち着いていて端正、積み重ねて作り上げる美しさがあって、一瞬で「スキ!」となってしまった。ループの酩酊感にうっとりしてしまう。この日は自転車だったのでお酒は飲めなかったけれど、お酒なんかなくても頭がくらくらしてうっとりしてしまう感じ、反復と展開の気持ちよさがギュッと詰め込まれていてしあわせだった。
アンコールで今後の公演の告知をしていた勝井さんが「僕ら共通の友人が書類送検されてしまって……」とおっしゃったのを聴いて、ちょっと笑ってしまった。あとは森岡さんの名前を久しぶりに耳にして、ちょっとしんみりしたり。
甲府の桜座でやるイベント、どっちもすごーく面白そうなんだけど、甲府かあ……三月忙しいからたぶん行けないんだけど、桜座のイベント毎回楽しそうなので、いつか行けたらいいな。
仕事なりなんなりで逃して歯ぎしりしたのは、ナカコーとミキちゃんが出てた取手のイベント(ナカコー+ナスノミツル+沼澤尚+Kamiyann+ササキヒデアキ/DJ フルカワミキ : Atelier + cafe ju-tou*1)と、ignition galleryの1/27のイベント(柴田元幸×おおはた雄一×扇谷一穂『タイムレス』)。今年は行きたくても逃してしまうイベントが多くなりそうなんだけど……行けなかったものもメモして残しておいて、もしその系譜に当たるものが開催されるときは行けるように、記憶しておきたい。
*1:これ去年か一昨年くらいにもやってて、そのときも行けなかったから次は絶対、と思っていたのだった……次こそ、絶対、、!